歯周病治療

歯周病治療は全ての土台

歯周病とは、歯の歯肉に近い部分についた歯垢(プラーク)や歯石の中にいる細菌によって引き起こされる病気です。
歯と歯肉の境目についた歯垢や歯石から、歯の根にそって歯周病菌が入り込み、歯を支えているまわりの組織をじわじわと壊していき、最悪の場合、歯が抜けてしまいます。

日本人の成人の80%がかかっているといわれる歯周病。進行した歯周病は口臭の原因になるばかりでなく、出血や歯のグラグラの原因になります。そして最後は抜歯へと至る怖い病気です。特に歯石の表面にはバイ菌がべっとり。まずは歯石の除去から始めましょう。
環境が整えば、失ってしまった骨を再生させることも可能です。ぜひご相談ください。

歯周病の検査について

歯周病の検査について

検査の必要性

検査は、病気の有無や進行度を調べるために行います。どの様な状態であるかを調べることにより、治療方法や期間、治療費などの治療計画を作ることができます。

プロービング

プローブという先端に目盛りのついた器具を使用して歯と歯肉のあいだ溝(歯周ポケット)の深さを測ります。
1本の歯に対して1~6ヶ所を測定します。歯肉からの出血の有無など歯肉の状態、歯の揺れや歯石がついているかなども調べます。

口腔内写真

適切な診断をし、また治療前後の比較を患者様と共有する為に口腔内の写真を5~12枚撮影します。お口の中は自身で鏡を使って見てもなかなか状況を把握できませんが、撮影した写真を使用することで治療部位や方法、お口の中の状況をより分かりやすく把握していただく事ができます。

レントゲン

歯周病のレントゲンの検査として、大きい写真を1枚撮影するパノラマX線写真と、小さい写真を10~14枚撮影する14(10)枚法X線写真の2種類があります。パノラマX線写真は全体を把握するのに有効ですが、詳細な情報が得られにくいです。14枚法X線写真は細かい情報が得られる為、当院では歯周病の検査において主に14枚法X線写真を使用しています。

パノラマX線写真

1歯ごとの骨の吸収や歯石の付着は把握しにくい。

14枚法X線写真

小さい写真を撮影する事で1歯ごとの状況を把握できる。

全体的には歯周病が進んでないように見えるが、局所的な問題があると、ある特定の歯だけ歯周病が重度になる場合があり全体を正確に把握するために14枚法で撮影することを勧めます。

左から2番目の歯の骨が垂直に吸収している

歯周病の危険因子

歯周病の危険因子

代表的な歯周病の危険因子です。これらが当てはまる場合は通常より歯周病の進行が早くなります。例えばタバコをたくさん吸っていて糖尿病がある場合は10倍以上歯周病のリスクが高くなります。

喫煙

タバコには有害物質が含まれます。ニコチンは血管を収縮させ歯肉の血行を悪くし、一酸化炭素は歯周組織の酸素欠乏を引き起こします。そのため歯周組織は栄養不足となり、抵抗力が低下するので歯周病を重症化させます。多重の喫煙は非喫煙者よりも4.75倍リスクが高くなり、これは歯周病の最大の危険因子とも言われています。また、自分はタバコを吸わなくても周りに喫煙者がいた場合は、副流煙により1.57倍リスクが高くなります。

ストレス

ストレスによって体の抵抗力が弱くなったり、生活習慣が変化することで歯周病が悪化しやすい状態になります。

糖尿病

糖尿病になると全身の免疫力が低下し、歯周病が悪化するリスクが高くなります(2.32倍)。また、歯周病が進行して痛みが出たり歯を喪失するとバランスのよい食事ができなくなり糖尿病の食事療法が正しく進められなくなる事があります。この様に歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼしますが、歯周病を改善すると、血糖コントロールが改善する可能性があります。

歯周病の進行過程

歯周病の進行過程

歯周ポケットについて

歯肉溝とは歯と歯肉の間にあるすき間のことを言います。この歯肉溝は健康であれば1~2ミリ程度の浅いすき間ですが、歯周病が進行してくるとすき間が深くなっていきます。
この溝にプラーク(細菌)が存在すると歯肉の炎症を起こし赤く腫れていきます。

腫れた歯肉溝はポケットのように隙間が出来ます。これを歯周ポケットと言います。歯周ポケットが存在するとすき間が大きいためプラークがたまりやすくなります。深くなった部分には歯周病菌が住みやすい環境を作ったり、汚れが固まって歯石を作ったりすることで歯ブラシでは深くまで汚れが取りきれなくなります。深くに住み着いた歯周病菌は骨を溶かすことでさらに歯周ポケットを深くして増えていきます。このようにどんどん歯周病が悪化していき、悪循環になってしまいます。

歯周ポケット検査

歯周病の検査の中に歯周ポケット測定があります。
歯周病が進行している場合は歯周ポケットが深くなります。
また歯肉から出血があるかどうか確認します。

歯肉から出血があるということは歯肉の炎症があることを示します。
ポケットからの出血は、歯肉溝の中の上皮(皮膚)が剥がれている状態(潰瘍)を示します。
上皮は外敵から中を守るバリアの存在です。その部分が剥がれているということは細菌が入りやすい状態になっているということです。
転んで膝を擦りむいた後にばい菌が入ってしまったときと同じような状態です。
よくCMなどで「歯ブラシをして歯肉から出血があると歯周病のサイン」というのを耳にしたことがあるかもしれませんが、この状態のことを言っています。
バリアがなくなれば細菌が侵入しやすくなり歯周病が進行しやすくなります。

歯周ポケット検査で深さが3mm以内で出血がない状態が正常です。

正常な場合

歯周ポケットは1~2㎜
炎症がなく歯肉から血がでない状態。

歯肉炎

歯周ポケットは2~3㎜
ポケットはあまりなく骨は溶けていないが歯肉から出血する状態。歯周炎になる1歩手前。

軽度歯周炎

歯周ポケットは3~4㎜
少し骨が溶けた状態 たまに腫れたり、歯肉が下がるとたまにしみることもある。

中等度歯周炎

歯周ポケットは5~6㎜
さらに骨が溶けた状態。この辺りからかむと痛みが出たり、腫れやすくなったりする。

重度歯周炎

歯周ポケットは6㎜以上
骨が半分以上溶けた状態。頻繁に腫れたり歯が揺れてかみにくい。

歯周病末期

自然に抜けてしまいます。

危険信号は?

  • 毎日の歯磨きで出血する
  • 歯肉が赤く腫れている
  • 歯肉が何となくゆるんでいる感じがしたりする
  • 口臭が続いていて気になる
  • 何となくどこか、痛い・かゆい・不快だと感じる
  • 歯がぐらつく
  • 歯が伸びてきた
  • 歯の位置が移動してきた

こんな症状のあるかたは要注意です。

カウンセリング

よりよい歯科治療を受けたいと思いませんか?

少しでもよい治療を受けたいと望んでいることでしょう。
当院では患者の皆様にできるかぎり満足いただける治療の提供をしたいと考えています。
各検査後、診断し結果をカウンセリングルームにて丁寧にご説明します。治療を進める前に患者様ご自身に現在の状況を十分にご理解いただくことがとても重要です。
歯周病は通院していれば治る病気ではありません。なぜ歯周病は起こるのか、進行するとどうなるのか、予防はどうすればよいのかなど、まずはきちんと理解されることが治療への第一歩です。詳しくご説明いたしますので疑問があれば遠慮なくお尋ねください。

また、当院では予防の専門家である歯科衛生士が一人ひとりの患者様を担当させていただいております。担当制の導入によって患者様の状態をより深く把握することが可能になります。歯科医師による歯の治療とは異なる歯科衛生士との予約の確保があり、口腔のケアに力をいれております。歯周病のコントロールなしに歯科治療は成り立ちません。担当の歯科衛生士が責任をもって対応させていただきます。

歯科衛生士

歯周病は最初、痛みを伴わずに進行していきます

ほとんどの人は、歯肉から血が出る。腫れた。
といった自覚症状を感じてからはじめて来院されますが、このような症状があるときは、かなり進行した状態です。
歯周病は歯磨きでは防げません。
毎日の歯磨きをしていれば歯垢の除去はある程度可能ですが、歯石の除去は歯ブラシではできません。
歯石は一度できると歯の周りに軽石のような性状で強固に歯に付着します。

被せ物の違いによる歯肉への影響

被せ物の違いによる歯肉への影響

被せ物の材料は大きく分けると金属、レジン、セラミックの3つに分類されます。
レジンとセラミックは白い材料で特に前歯に使用されますが、前歯に使用する場合は被せ物の境目が見えにくいよう歯肉の深くまでかぶせることが多くあります。
被せ物と歯との境目は人間の肉眼では見えないかもしれませんが隙間があります。
被せ物と歯との境目の隙間が大きかったり、形が悪かったり、汚れがつきやすい材質で治療されている場合にきちんと歯磨きをしていてもかぶせている部分の歯肉が腫れて出血しやすい状態になっている場合があります。
同じ白い被せ物のように見えるかもしれませんが、被せ物によって歯肉への問題が起きる場合があります。

初診時

歯肉が腫れている

歯周病治療後の状態

全体的な歯肉の腫れが引いてきたがプラスチックの被せ物をしている部分は腫れている

被せ物を外した状態

治療後

セラミックの被せ物(ブリッジ)で治療後、歯肉の腫れが改善した

歯周病の治療と予防

歯周病の治療と予防

プラークコントロール 歯垢を除去する

歯周病の原因はプラーク

プラークとは、歯にへばりついた歯垢のことです。歯垢は、細菌のかたまりで、この細菌が歯肉や顎の骨などの歯周組織に炎症を起こします。
プラークコントロールは、プラークを定期的に除去することをいいます。
正しい歯みがきをすることで、プラークは除去できます。歯周病の最大の予防法・治療法は、歯みがきです。当院では、歯周治療の一環として、歯みがき指導を行なってまいります。
正しい歯みがきの方法、歯ブラシの選択、歯みがき剤の正しい使い方などをご説明いたします。

SRP(スケーリング・ルートプレニング)

見えない部分は歯科医院で

歯周病の予防に毎日の歯みがきによるプラークコントロールは欠かせません。
見える部分(歯肉より上の部分)に関しては、日ごろから歯みがきをしていただく必要があります。
一方、見えない部分(歯肉より下の部分)は、われわれ歯科医院の仕事です。歯石は、歯垢がミネラル分を含み硬くなったものです。特に、歯肉の下についている場合も多く、歯ブラシではとれません。
歯科医院では、歯についた歯石をスケーラーという専用の器具を用いて除去します。これをスケーリングと言います。
また、歯垢はザラザラした面につきやすいので、歯の根の部分を滑らかな形状にしていきます。これをルートプレーニングと言います。歯周病の治療には、患者様とわれわれが二人三脚で努力することが必要なのです。

歯周病が進んでしまった方のために

歯周外科とは

歯周病が進み、骨吸収が進んでしまった場合、一般的な器具では歯石がとれません。その場合、麻酔をしたうえで、炎症を起こしている歯肉をメスで切り取り、歯の根っこについた歯石をとります。

根気よい治療が必要

歯周病が骨にまで及んでしまう主な原因は、歯垢、歯石です。原因を除去し、適切な処置を行なうことで、かなり進んだ病状も回復する場合があります。指示を守っていただき、根気よく治療を続けることが必要です。

評価

歯周病治療は確認が必要

歯周病治療の流れの中で、大きなポイントとなるのが評価です。評価とは、治療の効果を判定することです。基本的には、最初の診査と同様のことを行い、問題点が改善されたかを診ていきます。

定期健診

メンテナンス

歯周病は自覚症状がほとんどありません。歯周病の再発を防ぐために3ヵ月~6ヵ月に一度メンテナンスのためにご来院ください。